〔作詞作曲家〕
なかにし礼

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● なかにし礼 ●

　なかにし礼は、満洲国の牡丹江省牡丹江市（現在の中華人民共和国黒竜江省）生まれの日本の作詞家であり小説家でもある。

　彼の父母は満州で酒造業を営み成功を収めていたが、終戦後に家族とともに帰国するのだが、その途上で幾多もの命の危機に遭遇する。この体験が彼の生涯の作詞活動に多大な影響を与えたとされる。

　彼は、東京都立九段高等学校卒業後、立教大学文学部英文科に入学、中退と再入学と転科を経て、最終的に立教大学文学部仏文科を卒業する。彼はシャンソン喫茶などでのアルバイトやシャンソン歌手の訳詩などを行い学資を稼いだという。

　その後、映画『太平洋ひとりぼっち』を撮影中の石原裕次郎と偶然の出会いを果たし、裕次郎から「シャンソンの訳なんてやっていないで、日本語の歌詞を書きなさいよ」と勧められる。

　これに奮起したなかにし礼は、約1年後になって自ら作詞作曲した歌曲『涙と雨にぬれて』を石原プロに持ち込むこととなる。その後、石原プロが制作した『涙と雨にぬれて』が大ヒットし、なかにし礼は舞台演出、映画出演、歌、作曲、翻訳、NHK『N響アワー』レギュラーなども務め人気者となる。

　彼は、心臓病の持病などがある上、癌の発病など健康上のも問題点を抱えながらも、歌曲の作詞を行い、非常に多くの歌手たちに提供した。なかにし礼が作詞し特別にヒットした歌曲の一部には次のような曲がある。

　『北酒場』　　『今日でお別れ』『時には娼婦のように』
　『まつり』　　『昨日のおんな』『誰かさんと誰かさん』
　『冬の駅』　　『フィーリング』『わが人生に悔いなし』
　『石狩挽歌』　『許しておくれ』『時間(とき)よお前は…』
　『心のこり』　『サヨナラ横浜』『みんな誰かを愛してる』
　『風の盆恋歌』『京のにわか雨』『何があなたをそうさせた』
　『天使の誘惑』『よこはま物語』『ドリフのズンドコ節』
　『サバの女王』『グッド・バイ・マイ・ラブ』