〔歌手〕
アイ・ジョージ

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● アイ・ジョージ ●

　アイ・ジョージは、高齢のため既に活動は休止状態だが、日本の元歌手であり俳優である。

　彼の本名は、石松譲冶という。芸名はこの苗字〔石松〕のイニシャル（I：アイ）をとって、名前をカタカナにして、アイ・ジョージと名付けたとのことである。

　彼は1933年に当時の英国領である香港で生まれた。石油企業の役員をしていた父親とスペイン女性との混血児である。

　3歳のとき母親を失くしたが、家庭は裕福であり、父親の仕事の関係で香港や大連、上海、マニラを転々としながら成長した。

　1943年には父親が出征したため、父方の祖母に連れられ大阪で暮らし始めたが終戦まじかに香川県へ集団学童疎開している。

　その後、祖母を空襲で亡くし、孤児となり、長野県飯田市の果樹園へ引き取られる。南方で服役していた父親が1948年に復員し、彼は大宮で働くようになったが、病弱な父親はまもなく亡くなってしまう。その後はやむなく様々な職業を転々とする。

　1953年に米軍キャンプで歌の腕を磨き、流しとなって稼いでいたが、親友に勧められテイチクレコードの歌手オーディションを受けて合格し、黒田春夫の芸名で『裏街ながしうた』でデビューした。

　その後、『心の十字路』や『オー・ハッピデー/涙のチャペル』などの新曲を出したがヒットはなく、テイチクを退社し、流し歌手として各地を回る生活となる。

　紆余曲折を経て、1959年12月にトリオ・ロス・パンチョス日本公演の前座歌手となり、アイ・ジョージとしてデビューした。再度、テイチク所属となった。