〔歌手〕
上原敏

（うえはら びん）

　上原敏（うえはら びん）は、秋田県出身の戦前の歌手で、本名は松本力治です。彼は、1908年（明治41年）8月26日生まれ、1944年（昭和19年）7月29日にニューギニアで戦死しました。

　彼は、大学卒業後、わかもと製薬に入社、その後、歌手を目指し、義理の兄である秩父重剛の勧めでポリドールでの試験に合格する。1936年（昭和11年）の秋に歌手デビューを果たした。

　1937年（昭和12年）には、『妻恋道中』や『流転』『裏町人生』が大ヒットを飛ばし、同時代の歌手、東海林太郎のライバルとして注目を集めることとなる。翌年、1938年（昭和13年）には『鴛鴦道中』や『上海だより』『波止場気質』が大ヒットした。

　1938年（昭和13年）3月からは、戦地慰問として中国大陸を慰問多くの将兵たちを慰めた。やがて体調を崩し、1941年（昭和16年）には『仏印だより』を歌ってヒットはしたがデビュー当時の柔らかな歌声は失われてしまう。

　1941年12月8日の真珠湾攻撃からの太平洋戦争が始まると、世の中は軍歌などが中心的になり、彼の得意とした股旅歌謡は衰退し人気もなくなっていった。その後、兵士として召集され、1944年7月29日にニューギニア島において戦死しました。

　上原敏が歌う楽曲は、それほど多くはないが、ここでは、彼が歌う曲を紹介しています。彼のの歌う曲には、次のような歌曲がある。

　『裏町人生』
　『妻恋道中』
　『波止場気質』
　『恋の絵日記』
　『上海だより』
　『親恋道中』
　『流沙の護り』
　『男晴れ姿』
　『徳利の別れ』
　『俺は船乗り』
　『追分道中』
　『露営の一夜』
　『いろは仁義』
　『男船乗り』
　『仏印だより』
　『曠野の進軍』
　『泣き笑い人生』
　『鹿の子草紙』
　『愛馬の唄』
　『鴛鴦道中（おしどりどうちゅう）』