戦中に幼児時代を過ごした私は、我が家に多数あった戦時歌謡のレコードをひとりで聴いていましたが、中でも『お山の杉の子』は大好きなひとつでした。
この曲に励まされて大きくなりました。
一方で、現代になって、鶴田浩二の歌う特攻隊関連の曲を聴くと、その時代に生きた兵士たちの思いが胸をいためます。
日本軍は兵士たちに何と悲惨なことを強いたのか悔しくもなります。
そして、最近の北朝鮮の状況をみると、戦時中の日本の状態と重なり、北朝鮮の人たちが可哀想に思えて辛くなります。
北朝鮮の戦いもやがて終わりが来るのでしょうね。早くそんな時代が終わることを願うばかりです。
ここで、やや余談になります。〔デュエット〕の軍歌なんてあるのかと思っていましたが、唯一ありました。『父よあなたは強かった』です。このような軍歌は、現在でも、その時代でも、とても悲しい文言で綴られているのが特徴です。
『父よあなたは強かった』
この戦時歌謡の著作権は消滅しているので、ここに歌詞を紹介します。あの時代がどんな時代だったのか、偲んでいただければと思います。
父よあなたは強かった
兜も焦がす炎熱を
敵の屍とともに寝て
泥水すすり草をかみ
荒れた山河を幾千里
よくこそ撃って下さった
夫よ貴方は強かった
骨まで凍る酷寒を
背もとどかぬクリークに
三日もつかっていたとやら
十日も食べずにいたとやら
よくこそ勝って下さった
兄よ弟よありがとう
弾丸も機雷も濁流も
夜を日に進む軍艦旗
名も荒鷲の羽搏きに
残る敵機の影もなし
よくこそ遂げて下さった
友よわが子よありがとう
誉の傷のものがたり
何度聞いても目がうるむ
あの日の戦に散った子も
今日は九段の桜花
よくこそ咲いて下さった
ああ御身らの勲こそ
一億民のまごごろを
ひとつに結ぶ大和魂
いま大陸の青空に
日の丸高く映えるとき
泣いておろがむ鉄兜
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