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米良美一は、宮崎県西都市出身の歌手で、世界的にも評価されるカウンターテナーとして知られています。先天性骨形成不全症の持病があるため、幼児期より骨折しやすく、地元の小学校に通えたのは初期の数年で、その後、小中高の時代は宮崎市の赤江養護学校に籍を置き、寄宿舎生活を送りました。
この病気のために低い身長であり、また両腕も不自由なために手を重ねて歌います。小学校時代にはその容姿のためにいじめも経験しています。
小児期より演歌や歌謡曲が好きで、ベッドで過ごす日々にもらったアイドル歌手、松田聖子のカセットテープが好きで、彼女の歌を裏声で真似することが後に米良美一のカウンターテナーの原点となっています。
養護学校高等部で音楽での人生を決意し、幾多の困難を克服して神奈川県の洗足学園音楽大学へ入学し、在学中にテノールから女声の音域を歌うカウンターテナーに転向しました。そしてここを首席で卒業したのです。
1995年奏楽堂日本歌曲コンクールで3位入賞、1996年にキングレコードからのCD「母の唄」がベストセラーとなりました。ラジオでこの歌を聴いた宮崎駿監督が、この曲をアニメ映画「もののけ姫」のテーマ曲に起用し、米良が日本中に知られることとなりました。
1998年には、日本ゴールドディスク大賞のベスト・クラシック・アルバム・オブ・ザ・イヤー、第21回日本アカデミー協会特別賞として初の主題歌賞を受賞しています。その後、ストレスやコンプレックスなども絡んで美声が出せなくなり、5年間ほど掛けてようやく取り戻します。そして、今では、日本、韓国、ヨーロッパ等で広く活動しています。
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